飲食店の損益モデルの考え方


◆飲食店の損益モデルの考え方

freee株式会社が運営する、「経営ハッカー」にブログの内容を掲載いただきました。

 

これから飲食店を開業しようとしている人や、既に飲食店を経営している人たちの中には、

 

「売上がいくらくらいあれば良いのかわからない」

「お店は繁盛しているのに何故か利益が残らない」

 

といった悩みをお持ちの方が多くいらっしゃるかと思います。

 

これらの疑問を解決するには、飲食店の損益モデルの考え方を理解する必要があります。

今回は公認会計士の目線から、飲食店の損益モデルについて説明しますので、創業融資のための事業計画書作成、現在経営中の飲食店舗の状況確認、さらには課題設定をするためにご参考ください。

 

◆目標売上高の決め方

目標売上高は月の「固定費」がいくらであるかによって変わってきます。「固定費」とは、月の売上がいくらであっても変動しない費用のことで、ここでは「家賃」と「初期投資の減価償却費」の合計のことを言います。

 

「初期投資の減価償却費」と言うと少し難解に聞こえますが、要はお店を始めるために支出したお金を何年で回収するかということです。例えば、初期投資としてお店を始めるのに1,000万円支出したとして、これを5年で回収したいと思ったら、年間で200万円、月で17万円の費用がかかっていると見なす必要があるということです。

 

よく、「家賃の倍の売上高があれば大丈夫」といった意見がありますが、家賃だけを指標とするのは、初期投資の回収が含まれていないため、経営者の指標としてはやや不正確と言えます。

 

投資の回収という考え方が難しいと感じる方は、簡易的に「月々の借入返済額」を「初期投資の減価償却費」に代えて使ってもよいと思います。「家賃」と「初期投資の減価償却費(もしくは月々の借入返済額)」の合計である「固定費」が売上高の20%以内に収まっていることが理想の状態になります。つまり、「固定費」が月60万円のお店であれば、そこから逆算して、「固定費」の5倍である月商300万円が目標売上高ということになります。

 

 

◆繁盛しているのに利益が出ない理由

繁盛しているということは、十分な売上は確保できていると考えられます。それでも利益が出ないということは、何かしら経費の構造に問題があることが想定されます。一般的な飲食業の損益モデルと自店の損益構造を比較して、問題点をあぶり出すことからスタートすることが必要です。

 

飲食業に携わる方であれば、「FLコスト」という言葉はご存知かと思います。FLコストとはFood(食)とLabor(労働)の頭文字を取ってきており、それぞれ

 

Food・・・食材などの仕入に係る費用

Labor・・・料理人やホールスタッフなどの人件費

 

のことを指します。飲食業の運営に必要な費用で、支出の大部分を占める代表的なものになります。一般的に飲食店のビジネスモデルを考える際、売上に占める割合として、FoodLaborそれぞれ30%ずつ、合わせて60%以内に収まっていることが理想とされます。

 

業態によっては、FoodLaborの比率は30%ずつにならないこともあります。例えばカフェなどの業態であれば、Foodの比率が30%より低く、Laborの比率が30%より高くなるかと思います。しかし、いずれにしてもFoodLaborは合わせて60%以内に収まるのが健全と考えてよいかと思います。

 

その他に水道光熱費や広告費などの諸経費がありますが、これらの比率は売上を100としたとき、14%以内に収まっていることが理想とされます。

 

以上をまとめると

月商300万円(日商12万円)の場合

材料費

30%

90万円

FL:60% (オーナー分:30万円)

人件費

30%

90万円

諸経費

14%

42万円

 

固定費

20%

60万円

家賃:30万円

利益

6%

18万円

 

となります。

このような損益モデルと比較することで、どの部分に問題があるのか客観的に把握できるようになり、優先的に取り組むべき課題が何なのか判断できるようになります。

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